essay

日記を書こうと思うことはいくつもあって しかし頭の中を整理する暇もなく時間はどんどん過ぎ去って 落ち着いたころにはすっかり忘れていたりするのだからどうしようもない。 子供のこと。 ついこの間産んだような気も随分昔に産んだような気もする。 この世…

dawn

目が覚めたら 月が見えた 沈みかけの丸い月 薄暗い朝に 太陽に照らされて淡く輝く月が 小説のようだと ぼんやりした頭で思った セミの声 うっすらと暑い夏の朝 子供たちの寝息 だんだん明るくなる空 いつかも見たような 初めてみたような そんな明け方 貴重…

雨はコーラが飲めない

忘れられないタイトルだ。 雨が降るたびに思い出す。 読んだのは一度きり、20年も前なのに。(20年も経つなんて・・・) どうしてこんなタイトルが書けるのだろうと思う。 ずば抜けたセンス、としか言いようがない。 雨の中iPhoneに入れた音楽をシャッフルで…

紫陽花

恋しくて恋しくてしょうがなくなる時がある。 夢を見たわけでも電話をしたわけでもないけれど、ふと。 多分季節のにおいだろう。 もしくは日差し、気温、時間帯。 何かが私の記憶を呼び覚まし、どうしようもない気持ちにさせるのだ。 もちろん会えるわけでは…

Cloudy day

「今日は機嫌が悪いんだね。」 「くもりだからね。」 そんな会話をしたのは何年前のことだろうか。 確かに晴れのほうが好きだ。 曇りの日は空の色もどんよりしているし、 いつ雨が降るかと心配になるし、風のにおいまでなんだか独特だ。 でもだからと言って…

発芽

長年冬眠していた。 冬眠というのは少し違うかもしれない。 しかも「長年」だ。 季節が変わったから眠っていたわけではないし、 何年くらいを「長年」と感じるかは人によって違うだろう。 それでもともかく、私は冬眠から目覚めた。 いや、脱却することにし…